イラストを劣化させずに保存・投稿するには ― 解像度・ファイル形式・色の基本
公開日: 2026-10-03
描いているときはきれいだったのに、投稿したら色が変わった、線がぼやけた。デジタルで絵を描いていると一度は経験することです。多くの場合、原因は「書き出し方」と「投稿先での圧縮」にあります。
作業用データと投稿用データを分ける
まず大前提として、レイヤーが残った作業用データ(各ソフトの専用形式やPSD)は必ず保存しておきましょう。投稿用の画像は、そこから毎回書き出すものと考えます。投稿用の画像を上書き保存して編集し直すと、圧縮による劣化が積み重なっていきます。
キャンバスサイズの目安
- SNSや絵日記への投稿だけなら、長辺2000〜3000px程度あれば十分なことが多い
- 印刷する可能性がある場合は、印刷サイズに対して350dpi程度になるように作る(例:A4なら約2894×4093px)
- 後から大きくするのは難しいので、迷ったら大きめに作り、投稿時に縮小する
ファイル形式の使い分け
- PNG:劣化しない形式。線画やベタ塗りの多い絵、透明な背景が必要なときに向く。ファイルは大きめ
- JPEG:写真向けの圧縮形式。グラデーションの多い厚塗りは小さく保存できるが、線のまわりにノイズが出やすい
- WebP:比較的新しい形式で、同じ画質ならJPEGより小さくなりやすい。対応していない古いソフトもある
JPEGで書き出すなら、品質はできるだけ高く(90前後以上)設定しておくと、投稿先でさらに圧縮されたときの劣化を抑えやすくなります。
色がくすむ原因は「カラープロファイル」かもしれない
Webで表示される画像の多くは、sRGBという色の基準で表示される前提になっています。作業ファイルがAdobe RGBやDisplay P3など、より広い色域の設定になっていると、書き出したときやSNSで表示されたときに色がくすんで見えることがあります。
投稿用に書き出すときは、カラープロファイルを「sRGB」に変換するか、書き出し設定で「sRGBに変換」を選んでください。印刷用にCMYKで作業している場合も、Web用はRGB(sRGB)で別に書き出すのが安全です。
投稿先での圧縮について
多くのSNSや画像サービスは、表示を速くするために画像を縮小・再圧縮します。これは投稿する側では完全には防げません。少しでも影響を減らすには、投稿先が推奨するサイズに近い大きさで書き出しておくことです。極端に大きな画像は、強く圧縮される原因になります。
補足: 絵描きの絵日記でも、表示速度とデータ通信量を抑えるため、アップロード時に画像を長辺1920pxまでのWebPに変換し、撮影位置などの情報(EXIF)を取り除いています。原寸データは必ず手元に保存しておいてください。
まとめ
- 作業データは別に保存し、投稿用は毎回そこから書き出す
- 線画中心ならPNG、厚塗りや写真的な絵は高品質のJPEGかWebP
- Web用はsRGBで書き出す
- 投稿先の推奨サイズに近い大きさで書き出す